僕にささやく



色を失った木の葉が 道端に身を投げ出してる
僕を通り抜けてく風も 冷たくなってきました
空は夜を長く描き 人は寄り添う誰かを探す

風は木の葉をさらい どこかへ連れ去っていく
夏の暑さはとうに どこかへいってしまった

じわりじわりとやってくる 厳しい冬の寒さが
僕らの街を 覆い尽くしてく
ぽっかり開いた僕の心の穴には
痛すぎるくらい 冷たい風が吹いた

葉を失った木は 寂しさを実らせて
孤独を嫌うかのように 寄り添いあっている
街を染め上げてく 白く小さな雪は
全てを包み込む 空の贈り物

雪は街を覆い 白く染め上げてく
冷たさじゃない 暖かさがあふれた

ひらひらと降って来る 白く小さな雪が
僕らの街を染め上げてく
開いた穴を 埋めてしまえと
誰かが僕に 囁いているように 聞こえた

白く染まった街には 恋人達が幸せ振りまいて
光に包まれた全ての道で 愛を語らう誰かがいて
一人歩く僕は より強い孤独に襲われる


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